神奈核ニュース No.6(1997.12) 目次


97年を振り返って代表幹事(横浜労災病院)渡辺 浩
監査監事のツブヤキ監査幹事(横浜市立大学福浦病院)野沢 武夫
第198回定例研究会(1997.9)
ガンマカメラの近未来の動向
(コインシデンス収集を中心として)
住友金属工業(株)
メディカル部
萱沼 伸行
第198回定例研究会(1997.9)
SPECT装置のトランスミッション吸収補正
シーメンス旭メディテック(株)
核医学プロダクトグループ 
中辻 博
第199回定例研究会(1997.10)
当院の放射線部門における院内感染症対策案
横浜労災病院
 中央放射線部
石川 雄三
「おさかな釣り会に参加して」 県立がんセンター花本 徹
ダイナボット(株) 営業統括部石井 正和
家庭サ−ビス(4)警友総合病院金谷 利久
編集後記東海大学病院
  核医学
村上 剛


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97年を振り返って

代表幹事 渡辺 浩(横浜労災病院)


 1997年もあと少しで終わろうとしています。今年の神奈核もイベント盛り沢山の年でした。5月には第3回海外学術交流として日中核医学学会(上海)に於いて神奈核の活動を発表することが出来ましたし、7月には顧問として大変お世話になっている石井教授(北里大学)の退官記念パーティを開催し、そして先月、第200回記念大会を盛大に開催することが出来ました。これも偏に会員の皆様のご協力とご支援によるものと感謝申し上げる次第です。特に、200回記念大会に於いては、生憎の天気にも関わらず、93名という大勢の方々にご参加頂き、また、県外からもご参加とご厚志を頂くなど、神奈核に寄せる期待の大きさをひしひしと感じております。
 会員の皆様の期待に応えるべく、21世紀に向けて、神奈核の一層の発展のため、幹事一同邁進する所存でございますので、今後ともご協力の程宜しくお願いいたします。



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監査監事のツブヤキ

監査幹事 野沢 武夫(横浜市立大学福浦病院)


「光陰矢の如し」とはよく言われるが、今更ながら月日の流れの早さが実感される。去る11月29日(土)横浜開港記念会館において節目の第200回記念大会が開催されたが、この記念大会が神奈川核医学研究会の1997年の最終回でもあった。
 第100回、150回の記念大会の会場探しをしたことがつい昨日のように思いだされてくる。それから、100回〜50回の回数を数えて今日に至っているが、この間に、脳血流・心筋・腎臓・肝臓等の新しい検査薬が、次々に開発され日常検査として定着してきた。しかしながら、それらを用いた検査の解析にはまだ問題点が有るのも事実である。論文として掲載されるような大きな問題点は雑誌で読むことが出来るが、方法論などで例え小さな問題点でも、検査結果を大きく左右する疑問点が生じることがある。本研究会はこのような疑問点を解消する、手作りの会でもあり続けて欲しい。
 何はともあれ、1997年の役員一同の力が一つになって、1年間の研究会を含め各エベントを有意義かつ成功裡に開催できましたことは、御同慶の至りです。
 石井先生が、北里大学を定年退職されました。お元気に今後とも本研究会の発展のために、御助言を頂きたくお願い申し上げます。
 神奈川CR研究会との合同開催もありましたが、目先を変えて見つめ直すよい企画であったと思います。
 第200回記念大会の講演で、池上先生は核医学の今後は、生化学的な情報を重視したものにシフトしていくことを示唆され、合わせて定量性の大切さを述べられた。堀池先生は骨の除痛治療について、先生ご自身の治験例を述べられたが、除痛効果は極めて高いと考えていた私にとっては、目から鱗が落ちる思いで治療の難しさを思い知らされた。当日は、朝から1日中冷たい雨が落ちていたが、後日の新聞報道に寄ればこの雨も一因となり、今冬の県内水道の枯渇は危機的状況を脱したとのことである。何を基準に置くかで、良くも悪くも思える。現在の核医学画像は、必ずコンピューターでデジタル変換されて出力されている、フイルムに直接画像を出力する(いわゆるアナログ画像)ことは、ほんの一部の旧装置以外はないと考えて良い。日常検査を少し目先を変えれば、簡単に付加情報を求めることが出来ることになる。具体的には何か、常に疑問点を持ち続けることが唯一の回答であり、他病院の方法を「盗む」ことも何等問題にはならない。
 1年間講演をして頂きました先生方、会員の皆様ありがとうございました。もう一つ、ツブヤキがでてきました。
 1997年は、金融業界を揺さぶる激動の年であった。今後も続く序章の幕明けなのかどうかは知らないが、国民の一人として大いに関心を持っている。いそぎました、まとまりのない点は許してください。

 小生の手帳に次のメモがあります。
若い時は、一日は短く、一年は長い。
年をとると、一年は短く、一日は長い。(ペーニン)
 皆様は、一日は「短い」それとも「長い」と呟くのでしょうか。



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第198回定例研究会(1997.9)
ガンマカメラの近未来の動向(コインシデンス収集を中心として)

住友金属工業(株) メディカル部
萱沼 伸行


 1956年に現在のガンマカメラの基になっているアンガーカメラが考案されて以来、基本的には画像を美しく見せることに主眼をおいた機器の開発が行われてきた。しかし、近年、定量化を中心として核医学検査を大きくステップアップさせようとするいくつかの新しい試みが進んでいる。今回、米国テキサス州サンアントニオで開催された'97米国核医学会(SNM)における技術動向を報告すると共に、最近注目されているコインシデンス収集(同時計数収集)についてADAC社製ガンマカメラを例に挙げて説明する。

1.'97SNM
 今大会は機器を中心としてみると、2つの新しい試みに基づいて核医学検査のブレイクスルーを図ろうとする方向付けが見られた。1つは、Angerが40年以上前に考案して以来の基本コンポーネントであったクリスタルを、コイシデンス収集に適したLSO/YSOクリスタルに変えた検出器や、原理的に新しくエネルギー分解能が非常に高い半導体検出器のような、検出器の根本的な改良である。もう1つは、近年提唱されているクリニカルPETで、PET検査を通常の検査にも取り込んで高度な診断を可能にすることである。このように、装置の改良と検査の適用範囲の拡大によって核医学検査が新たに大きく前進することが期待される。

2.コインシデンス収集
(開発の背景) 前述のクリニカルPETを実現するために求められる機器の条件は、ポジトロン放出核種に対応した検査ができ、かつ、低価格でコストパーフォーマンスの高いことである。ポジトロン対応のコリメータを用いる方法は、低価格だが、画質がかなり悪い。PET専用機では性能は高いが、SPECT検査をやろうと思うとSPECT装置を別に購入しなければならない。これらを考えると1台でSPECT検査もPET検査もできるハイブリッド型の装置が最もコストパーフォーマンスが高くなる。

(原理)
 近年主流になってきた2検出器ガンマカメラの検出器を対向に配置し、コリメータを取り外してコインシデンス収集(同時計数収集)を行う(図1)。
これは、従来のシングルフォトン収集用のガンマカメラに同時計数回路を搭載して、1台の装置に両収集機能を持たせたハイブリッド型ガンマカメラである。このシングルフォトン収集とコインシデンス収集は、次に示すようにそれぞれ相反するような性能が要求される。

 シングルフォトン 
 コインシデンス
計数率(kcps)
<100
>1000
エネルギー(keV)
70〜511
511
積分時間
計数タイミング
重要でない
10〜20 nsec

 このように大きく異なる2つの要求性能を1台の装置の上で実現するために、次のPET/SPECT技術が開発された。
(1)真のフルデジタル検出器
(2)ソフトウェア制御検出器
   ・新しい位置計算法(Local Centroid)
   ・積分時間の制御
(3)三次元収集とマルチエネルギーウィンドウ収集
(4)最適化ガントリー(高シールド、高剛性)
 その他、外部線源を用いた吸収補正により、心筋SPECTにおける下壁の過小評価および胸部イメージの低コントラスト分解能が改善され、高画質イメージが得られるようになった。

(今後の課題)
 今後、クリニカルPET実現のために提案されたハイブリッド型ガンマカメラが普及するためには、さらに基本性能を向上させることはもちろんのことだが、ポジトロン製剤の安定供給体制を確立することも重要である。また、SPECTの吸収補正と共通の問題となる吸収補正用外部線源の法規制の整備が急務である。



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第198回定例研究会(1997.9)
SPECT装置のトランスミッション吸収補正

シーメンス旭メディテック(株)核医学プロダクトグループ
中辻 博


はじめに
 2方向から効率良く外部線源を照射出来る角度可変型検出器の開発により、ガンマカメラでのトランスミッション吸収補正(以下TCT)の技術は大きく進歩しています。また、これに伴い被曝線量やランニングコストの検討も行われており、実用化に向かって前進しています。今回は、前回の「新世代SPECT装置の展望」の続編としてシーメンスの角度可変型検出器e.camの吸収補正機構「Profile」を中心にTCTの現況について報告致します。

1.体幹部中心への線量
 核医学装置の検出器には数え落としの問題があり、これがTCTに大きく影響します。TCTは、外部線源から目的臓器を含む被写体に照射してTCT画像を得ます。当然、被写体の無い状態でのブランクスキャンが必要となり、数え落としの影響を防ぐために大線量の照射は出来ません。シーメンス社の検討では、53×39cmの有効視野を持つ検出器に対して、153Gd(97/103keV、242日)のライン線源を1mmスリットの線ビームでスキャニングライン方式(Fig.1)で照射した場合、1検出器あたり約125mCiが限界となっています。しかし、使用開始日から125mCiでは半減期が242日のため半年に1度の全交換が必要となります。このため、最初に250mCiを導入し初期の半年間はある吸収物質をはさんで照射線量を落とす手法が取られています。この場合の心臓SPECTのTCTを対象にした体幹部中心(Fig.2)に与える平均線量は、約0.40(mCi/sq.in)となります(Fig.5)。
 体幹部中心の線量は、TCT画像のS/Nに大きく影響し結果的に補正精度に反映します。ここで、シーメンスe.camのProfileが被写体に与える線量の効率化について述べます。
 Profile方式は、体幹部中心に最も高い線量が与えられるよう効果的に153Gdライン線源が配列されています(Fig.3,Fig.4)。この正規分布した線量分布は、検出器の体幹部中心に対して平均線量約1.8(mCi/sq.in)を与えることが出来ます。
 Fig.5は、体幹部中心の線量比較をProfileとスキャニングライン方式で検討した結果です。スキャニングライン方式では、最初の7カ月間は吸収物質を使い線量を落とすことで数え落としを防ぎますが、体幹部中心の線量は低下します。初期導入時にトータル500mCiの線源を用いながら低いコストパフォーマンスとなっています。Profile方式では、1検出器につき6カ月に1度中心の20mCi2本を補充することで常に高い線量を体幹部中心に与えることが出来、数え落としの問題も考慮する必要はありません。Fig.6に体重90kgの患者さんと心臓ファントムでのTCT画像を示します。Profile方式によってS/Nの高いTCT画像が得られるのがわかります。臨床例においても高精度な吸収係数マップが高い補正効果を生み出します(Fig.7)。

               

2.コストパフォーマンス
 現在、外部線源として最も効果的と考えられているのが153Gd(97/103keV、242日)です。しかし、半減期による減衰に伴い年間のコストも考慮に入れる必要があります。Profileは、6カ月おきに線源を中心から順次移動して最外側の線源を除外する方式を採用しており、1本の線源が最大で4年間使用出来ます。また、初期導入時も総線量200mCiとスキャニングラインの500mCiよりも低コストで済みます。Fig.8にProfileとスキャニングライン方式の10年間のコストの比較を示します。10年後に50%の差が出ているのがわかります。

3.被曝線量
 TCTによる被曝線量の増加は興味深い情報です。Table.1に通常の201TlCl 74MBq検査での各組織への吸収線量の報告を示します。また、Table.2は、Profileによる吸収線量と実効線量の増加分です。この増加量は、実効線量当量合計で2.7[μSv]と非常に低い数値を示しています。飛行機での高度8000m飛行の実効線量当量が2.0 [μSv/hr]との報告があり、Profileによる被曝線量が実用に耐えられる量であることが示唆されます。

組織
[μGy/MBq]
心臓
92
小腸
76
腎臓
397
肝臓
167
赤色骨髄
92
DR Bernier,JK Langan,LD Wells,eds.,Nuclear Medicine Technology and Techniques,CV Mosby Co.,(1981),p.313
Table 1 201Tl 74MBq検査による吸収線量

組織 吸収線量[μGy] 線量当量[μSv]
胸部
3.70
0.56
14.20
0.42
2.50
0.30
赤色骨髄
2.40
0.29
生殖線・甲状腺
0.00
0.00
他の組織
3.70
1.11
実効線量当量合計
2.70
Table 2 Profile検査による吸収線量と線量当量の増加

天然放射線(USA)    0.34 [μSv/hr]
胸部X線撮影  100.00 [μSv/x-ray]
高度8000mの飛行    2.00 [μSv/hr]
Mark Madsen,Physicist,Dept.of Radiology,University of Iowa,Private Communication (Jan.10,1997)
Table 3 一般的な実効線量当量

SPECT装置による核医学検査は、定性評価から定量評価へと着実に進歩しています。今後の課題としては、効果的な散乱線補正やエミッションとトランスミッション同時収集時のクロストークの補正があります。シーメンスのProfileは、Triple Energy Window Scatter Correctionを基本に検討中ですが多くの問題も含まれています。また、日本国内では法的な問題の解決が大変重要ですが各方面の方々の努力により一歩ずつ前進しています。
 SPECT装置でのトランスミッション吸収補正が幅広く医療に貢献することを願い、この報告を終わりにします。



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第199回定例研究会(1997.10)
当院の放射線部門における院内感染症対策案

横浜労災病院 中央放射線部
石川 雄三


はじめに
 院内感染は、細菌の耐性化などから難治性となり、患者や病院にとっても、十分な院内感染予防対策を確立させなければならない。
 細菌による汚染は、感染した患者ならびにその周辺が汚染源となるが、放射線技師も細菌のキャリヤーとして十分汚染源になり得る。放射線部門が感染経路とならないようその対策と、感染症患者の検査時に於ける院内事故の対処について検討した。

感染対策
 主な院内感染として、MRSAや緑膿菌・結核・ウイルス性肝炎・AIDS・小児伝染病などが挙げられる。

MRSA 緑膿菌 結核
 MRSA・緑膿菌などの耐性菌には消毒用アルコールやグルタルアルデヒドなどの高度な消毒剤を使用し、ヒビテンやオスバンなどの低・中度の消毒剤は使用しない。また、感染症患者の撮影は極力 感染症・救急患者用の撮影室で実施し、撮影に使用するカセッテや補助具等にはビニールなどを被せ撮影後専用のゴミ箱に破棄する。患者及び技師が触れた所は、撮影後消毒用アルコールで清拭する。
 ポータブル装置を感染症患者の病室に搬入・搬出する際には車輪をアルコール噴霧し、患者に触れた部分は消毒用アルコールで清拭する。病室に入室する際には、マスク、帽子、手袋を着用しガウンテクニックを実施する。ポータブルに使用するカセッテは、ビニール袋を被せ撮影後病室内の専用ゴミ箱に破棄する。
 排菌の可能性のある結核患者の撮影時には、マスク・帽子及びガウンテクニックを実施する。

ウイルス性肝炎
 ウイルス性肝炎にはA型肝炎ウイルスにより起こる伝染性肝炎と、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスによる血清肝炎がある
 A型肝炎は、経口感染により伝染性に集中的に発生する。HAVはA型肝炎中に排出され、これが 手・口を介して感染するので患者に触れた後・食前に流水での手洗いと消毒用アルコールによる手指消毒を実施する。
 B・C型肝炎は、主としてウイルス汚染注射器・輸血・注射針その他による汚染血液を介する外傷性汚染が原因である。
 撮影室の床・壁・ドアノブなどが血液で汚染された場合、消毒用エタノールで消毒する。血液の付着した検査着寝具などはビニール袋に入れて『感染症』と明記して消毒に出す。
(末尾に院内事故時の処置を記す。)

AIDS
 HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の院内感染のルートは血液感染である。したがって、針刺し事故、傷口からの感染以外の危険性はまずないと考えられる。患者に対する対処はB・C型肝炎ウイルス感染患者に準ずる。検査後はウエルパスで手指を消毒する。患者に使用した器材は消毒用アルコール、イソジン、ヒビテンなどで消毒する。
(末尾に院内事故時の処置を記す。)

小児伝染病
 小児伝染病(水痘、風疹、麻疹、流行性耳下腺炎、百日咳、先天性風疹症候群...)は、イ)患者への直接接触 ロ)第三者、物を介して ハ)潜伏期病源体排泄者を介して伝播されるが、イ)による頻度が圧倒的に多い。
 感染対策としては、撮影に使用した器具の消毒は消毒用アルコールにて清拭する。ディスポの製品は使用後ビニール袋に入れて『感染症』と明記して焼却する。検査後および病室への入退出時には消毒用アルコールでその都度手洗いを実施する。

院内事故時の処置
B・C型肝炎患者との院内事故時の処置
・生傷などのある手指に患者の血液が付着した場合は、流水で洗浄後、消毒用アルコールで消毒する。
・血液が目に入った場合、速やかに流水で洗浄し、0.02%ヒビテングルコネートで結膜を消毒する。
・血液が口に入った場合、流水で良く口腔内を洗浄し、イソジンガーグルでうがいをする。
AIDS患者との院内事故時の処置
・針刺し事故などが生じた場合:できるだけ早く傷口から血液を絞り出し、流水で洗浄後、消毒用アルコールで消毒する。
・血液が目に入った場合:速やかに流水で洗浄後、0.02%ヒビテングルコネートで結膜の洗浄を行う。
・血液が口に入った場合:速やかに水で良く口をゆすぎ、イソジンガーグルでうがいをする。
・血液が皮膚に付着した場合:流水で洗浄後、消毒用アルコールで消毒する。



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「おさかな釣り会に参加して」
県立がんセンター
花本 徹
ダイナボット(株)営業統括部
石井 正和


 釣りと云えば小学生の時に川釣り、浜釣りを少々やった程度。船の揺れで酔ってしまうことも考えてためらったものの、一度経験してみてもいいかな、と思い直し参加することに決めました。
 釣りを少々やったことがあると云っても、ただ竿と餌を持ってフラフラしてただけのド素人なので、何が必要なのかわかりません。科の先輩方に聞き、クーラーボックスは必要だということなので、購入することにしました。
 そして当日、クーラーの中にいただいた缶ビール24本を詰めて茅ヶ崎港へ。酔い止めの薬を飲み、7時頃出船しました。空は晴れ上がり、風は適度に冷たく、朝日を浴びて、緊張することもなく、気持ち良く釣場へと向かいました。釣場に着いて、竿の扱い方等を教わり、「よし!」と、気合いを入れて始めました。魚が掛かるとググッと引かれる感じになると聞いてましたが、当初はおもりの重さで沈み込む感じと区別出来ず、何度も竿を上げては確認してみました。さて記念すべき第一投は何と大物中の大物!!「地球」!? とても釣り上げるどころではなく、リールを巻上げた目の前には何にも無い糸のみが...。気合いを入れた第一投はただ岩に挟まれただけで空しく散り果て、船頭さんが新しいカゴを取り付けてくれている間、釣り始めた周りの方たちの様子をボケーっと眺めているしかありませんでした。
 さて、竿が出来上がり気合いを入れ直して、再度チャレンジ。しかし、数十分たっても何の感触もない。見かねた先輩、S々木さんが「貸してみ」と私の竿を取り上げた数秒後、しっかりと魚は喰い付いていました。「こういうふうにやるんだよ」と教えてくれたもののなかなか魚は喰い付いてくれません、とその時おもりとは少し違う感触が!ググッと竿が引かれる感じで...「これか!」、リールを巻き、糸で指を切りながら急いで釣り上げるとソーダガツオがかかってくれていました。この感激はたまりません!その後2、3匹と釣れだし、いつしか餌を詰めて放り込んでは十秒とたたない内に釣れるようになり、時間を忘れ、気が付いた時には10数匹にもなっていました。目的のイナダを釣り上げることは出来ませんでしたが、最終的には20数匹と思いがけず大漁で、クーラーを購入した甲斐がありました。たださすがに全部は食べ切れないので、御近所におすそ分けをしました。
 もちろんその日の夕食はソーダガツオのさしみや塩焼きで、さしみなどはコリコリと身が引き締まって何とも云えず(自分で釣ったという感慨もあってか)美味しかったです。翌日も味噌漬け、サバずし等の魚三昧でした。これが釣りの面白さなのかなと1回参加しただけで思ってしまい、当初のためらいはどこへやら、素晴しい体験で一日を楽しく有意義に過ごすことが出来ました。
 10月18日恒例の神奈川核技研つり大会が催されました。
 今回も秋の「イナダ」狙い、参加者はいつもの小野先生始め、二十数名、朝6時30分集合、7時出船でしたが6時30分前には、もうすでに全員集合、心はすでに皆大物を釣り上げている様子・・・
 実は私、今回の釣り大会は飛び入り参加、参加者名簿には名を連ねてはおりませんでした。前日の17日、神戸でゴルフコンペに参加しておりまして、当日の夜中に帰宅いたしました(17日に帰宅出来るか否か不明の為、はっきりとした参加をお伝えしてありませんでした)
 当日18日、朝6時35分集合場所の釣り船屋『茅ケ崎丸』に行った所、核技研の方は誰一人おらず!!??(5分遅れてしまったが、確か出船は7時のはず・・・・・??)
 船屋の方に尋ねると、もう出船したとか!しまった! 「あきらめよう」と思った所、船屋の方が他の船で「核技研の仕立船」まで連れてってくれると言う事で、大急ぎで支度・・・やっとの思いでトラックで港へ行くと、「仕立船」は愚生の為Uターンして戻ったとか、怒りと、不可思議と、誰?、との交差する視線を浴び身の縮む思いで乗船・・・・  さて、その日の天気は晴、波は無く穏やか、絶好の釣り日和、今日の釣果はさぞや、と期待された。棚は底より3〜4mから「こませ」を振って上6〜7mゆっくり攻める・・・・くり返すが、イナダのあたりは無い・・・そのうち、後ろの人が"強烈な引き"との声、はたや〔ワラサ〕か!と思われだが、残念ながら「エイ」・・・回りの方々も・・・上がるのは「ソーダ、ヒラガツオ」が多い、しかし時々、強い引きを楽しみ本命イナダを上げる方もおりましたが、あまり続かず、此の場所では船内で十本余りか?
 私も此処では本命はゼロ、こんなはずでは・・・11時少し前場所移動、相変わらず上がるのは〔サバ、カツオ〕やはりここもダメかと思っていたところ、ググッと突込む強い引き、ハタ本命か?、期待しながらリールを巻込むと、船長が手網を持って飛んで来た、ハタヤ、『手網上げサイズ』かと更に期待は高まる・
 釣魚は外道であったが『カンパチ』、サイズは50cm位のまあ良型、やっと海釣した思い。ここも相変わらず本命が上がらず、皆飽き気味、昼頃帰船。
 今回の釣果が皆あまりはかばかしく無かった原因は、船にイナダを集められなかった事か、船長の指示棚に最初に皆一斉に「こませ」を振込む事がうまく行かなかったかもしれない。とは言っても、釣りは、"その日の海次第"大漁もあればボウズも有り、だから面白いのかも知れない。
 ちなみに私の釣果はカツオ11本、サバ3本、カンパチ1本、本命ゼロで終わりました。しかし、久しぶりに懐かしい方々とお会い出来、楽しいひとときを過ごさせて頂ぎ誠にありがとうございました。
 終わりに、遅れて飛ひ入り参加し皆様に大変ご迷惑をおかけし、申し訳有りませんでした、此場をお借りしお詫ひ申し上げます。




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家庭サ−ビス(4)
警友総合病院
金谷 利久


 このコ−ナ−もこれで最後になりました。家庭サ−ビスというよりは酒飲みのグチみたいになってしまいました。もともと料理が好きなので休みの日の昼食は必ず夕飯もよく作っています。(二日酔いで寝てる時以外)
 お菓子の作り方ばかり紹介したので最後はロ−ストチキンの作り方を紹介します。今年のクリスマスは自分で焼いて家族で祝ってみたらいかがですか。

<ロ−ストチキン>

      材料
      鳥  1羽
      香味野菜(セロリ,玉ねぎ,パセリ,にんにく)
      凧糸
      マ−ガリン
      塩 胡椒 しょうゆ はちみつ

1.塩・胡椒を鳥全体に(腹の中も)やや多めにふりマ−ガリンをたっぷり塗り手ですりこむ
2.香味野菜を一口大に切り鳥の腹の中につめる
  (ア−モンドやカッシュナッツを入れると香ばしくなります)
3.香味野菜をつめたら針を使って腹を縫います
  (この時鳥の皮と皮を縫わないで少し深く肉と肉を縫います)
4.オ−ブンの天板にアルミホイルを敷きマ−ガリンを塗ってから鳥を背中のほうからのせ300度で30分焼き、ひっくり返して30分やきます
  (鳥の大きさにより多少時間が異なるので気をつけて下さい)
5.はちみつ小さじ1としょうゆ大さじ1をよく溶き鳥にかけて1分焼く

 これで、ひとまず、このコーナーをお休みにします。長らくのご愛読ありがとうございました。ご意見をお聞かせください。



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編集後記
東海大学病院 核医学
村上 剛


 神奈川核医学研究会第200回記念大会がやっと終わったと思ったら、もうすぐ今年が終わろうとしています。つい先日までは、神奈川核医学研究会誌のNo.11の編集に大忙しでしたが、楽をする暇もなく、神奈核News No.6の発刊作業を行っています。
 神奈核ニュースは皆様の原稿がなければ発刊できません。ぜひともご協力のほどお願い致します。学術だけでなく、いろいろな内容の盛りだくさんにしたいと思います。特集の内容についての要望や、連載希望のコーナーがありましたらぜひご一報下さい。
 ところで、サッカー日本代表が、Wcapフランス大会への出場をやっと手に入れました。これで、来年の6月までは何となくウキウキした気分で過ごせそうです。ぜひとも、フランスで青いビニール袋を振りたいと、思いをはせています。
 私は、ここ1週間ほど風邪で、ゴホゴホ・グジュグジュ言っています。皆様もお体をおいたわり、良いお年をお迎えください。

 投稿・ご要望・お叱り・ご感想等は、下記まで、または、お近くの研究会常任幹事までお願いします。
259-11 伊勢原市望星台 東海大学病院 核医学 村上 剛
TEL:0463-93-1121(内3471) FAX:0463-91-1350
インターネットメールアドレス:mura@is.icc.u-tokai.ac.jp



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