第247回神奈川核医学研究会が12月19日、神奈川県民センターにて行われた。今回のテーマは各施設持ち寄っての症例検討会で、横浜市大の古賀氏よりPET検査、東海大学の畠山氏より肺疾患、北里大学の神宮司氏から消化管出血シンチの症例を発表していただいた。それぞれの症例で意見・見解が飛びかい、熱い研究会となった。
横浜市大の古賀氏の発表は、CT画像ではわかりにくかった不明熱の患者にFDG-PET検査を行うことで、血管炎(高安動脈炎)を指摘できる画像が得られ、さらに血管炎に対して治療前と治療後の治療薬の反応性を形態的な変化でなく、機能的変化を捉えることができる有用な検査である報告だった。PET検査の可能な施設が近年増えてきている。アメリカやドイツのように日本でもFDGの全国供給が考えられている昨今、さらなるPET検査の普及・有効利用に期待したい。
東海大学の畠山氏の発表では、A-Vシャントが発見されたMAA検査の症例が紹介され、MAAを使用する際の投与量や副作用について、他の施設でどのように行なわれているかの話題となった。特に小児・幼児のMAA検査における投与量の決定方法や、A-Vシャントのある患者の脳に運ばれたMAAによる微小梗塞が脳組織に対してどのような影響があるのか、参加者と議論が交わされた。参加者はMAA検査における投与量・副作用の再確認ができたと思う。
消化管出血シンチにおける時間経過の画像が提示された。膀胱上部に集積を示す画像が得られており、参加者がこの画像を見て、どのようなことが考えられるか議論が交わされた。月経による子宮への生理的集積であり、珍しい結果の一例であった。また、3D-OSEM法の画像を通常のOSEM法と比較した紹介をしていただいた。3次元でOSEM法を行うことにより、ノイズがさらに抑えられ、コントラスト分解能のよい画像となっていた。今後、期待の再構成法である。
研究会終了後には忘年会が開催され、今年1年の出来事や、先月行なわれた海外学術交流会参加者の土産話で盛り上がった。
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2002年の研究会も今回が最後となった。今年は日本核医学技術学会関東地方会など大きなイベントもあり、第1回から33年の長い月日のなか、新たな研究会の歴史の1ページを刻むことができた。来年には研究会が250回を越えることとなる。神奈川核医学研究会がより一層成長していくよう皆さんと一緒に盛り上げていけたらと思う。
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