平成11年12月4日(土)
  30周年記念大会報告
 常任幹事 川崎市立川崎病院 小野 欽也

1999年12月4日 澄み渡る秋晴れの空の下、神奈川核医学研究会30周年記念大会が執り行われました。
はじめに、大会長である鈴木 豊先生(東海大学医学部 放射線科教授)の挨拶があり、本研究会が今日まで育ってきたのは、先輩方の情熱と協賛メーカーの力の結果だとし、本大会は「古きを尋ね、現状を把握し、21世紀に向かって羽ばたく第一歩である。」と意義づけて下さいました。 suzuki.gif (9303 バイト)
記念講演は、畑 隆志先生(横浜市立脳血管センター 神経内科部長)に
「脳血管障害の血流測定から何がわかるか」という内容で、特にPETを中心にご講演いただきました。血栓溶解療法の難しさを先生ご自身の苦い経験などを織り交ぜながら、また、脳が虚血に陥ると細胞がどうなるかを「グルタミン酸カルシウム仮説」に基づき、わかりやすく説明してくださいました。これらを踏まえて、脳の血流と代謝を知ることは神経機能を知ることに等しいとし、機能が無くても細胞が生きているという「ペナンプラ」の状態を把握するために、PETが如何に期待されているのかを強調して話されておりました。さらに、PET検査に関して、その歴史から実際まで、PETの画像を示しながら解説してくださり、核医学の未来にまだまだ期待するものが大きいと結んでおられました。
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ワーキンググループ報告は、村上 剛さん(東海大学病院)の司会で、2題の発表が行われました。
「QGS多施設共同研究」は神奈川SPECT研究会との合同研究で新尾 泰男さん(昭和大学藤が丘病院)に発表していただきました。
基本的には同じであるはずのQGSソフトで各施設間および装置間で結果に違いが生じるという非常に興味深い内容でした。
「神奈核ホームページ作成」披露は、私、小野 欽也(川崎市立川崎病院)が内容の紹介と、掲示板の利用、今後の展開について話しました。
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シンポジウムは、福田 利雄さん(東海大学病院)の司会で、「神奈川核医学研究会30年を振り返って」を各シンポジストの方にそれぞれのテーマで、お話いただきました。内容は、定例研究会については、渡辺 浩さん(横浜労災病院)に研究会の目的と今後を。海外学術研修については、奥山 康男さん(川崎市立川崎病院)に各地での研修内容と思い出話を。患者向けパンフレットについては、桜田 晃さん(横浜市立市民病院)にその目的と内容を。神奈核研究会誌および神奈核ニュースについては、村上 剛さん(東海大学病院)に発行時期とその変遷を。懇親行事については、大島 正行さん(神奈川県立循環器呼吸器病センター)に心のゆとりをも含んだ神奈核の在り方をお話いただきました。研究会の歴史を実感できるシンポジウムでした。 fukuda.gif (3564 バイト)watanabe.gif (4181 バイト)
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今後も常任幹事一同、皆さんがすすんで参加したくなるような研究会を目指し努力いたします。
今後ともよろしくお願いいたします。