挨拶

19回日本核医学技術学会関東地方会総会

 大会長 福田 利雄

箱根の山は天下の剣・・・往時の旅人にとって箱根の山は名だたる難所であった。
現在は、日本でも有数の温泉地、行楽地であり、陽春の箱根は温かく、緑濃き木々のこぼれびのもと多くの行楽客で賑わいをみせております。

 ここ箱根の玄関口湯本温泉で第19回日本核医学技術学会関東地方会総会を開催する運びとなりました。遠路をいとわず参加されました皆様に深く感謝申し上げます。

 神奈川において、宿泊での開催は関東地方会組織になる以前鎌倉で同好の志で開いた研究会以来であり、ましてや、箱根での開催ということで、渡辺実行委員長をはじめ実行委員の方々には大変なご苦労をさせたことと思います。心より感謝いたします。

 大会メインテーマを “核医学技術の道 ―21世紀の選択― 人と技術の協調を求めて”と設定いたしました。“核医学”がこれからどのような変遷を経るか予想は大変難しいものがあります。昨今の医療社会情勢から、今、変わらねばならいことは確かであります。小泉内閣が打ち上げている多くの改革のなかで医療経済改革が最も早く施行され、我々に大波の如く押し寄せて来ている現実があります。時代に即した“核医学技術の道”への方向転換が必要ではないでしょうか。横浜市大に教授として赴任された井上登美雄先生歓迎の席に出席したおり、先生から“PETの普及に全力を尽くす”という力強いお言葉をお聞きしました。

本日は、先生のご専門であるPETによる“これからの腫瘍核医学”と題して特別講演をお願いしております。教育講演では、日本より1歩も2歩も先を行く欧州の核医学の現状について、イギリスに留学されておりました慶応大の橋本順先生から“ヨーロッパの核医学事情”について貴重なお話し伺うことになっております。両先生から、これからたどるべき核医学技術の道についてのご教示がなされると思います。シンポジウムでは、核医学関連の最新技術の紹介とIT情報社会に核医学が取り組むべき画像ネットワーク、オーダリングシステム等が話題提供として取り上げられております。新しい試みとして、湯上りの浴衣姿でお酒を酌み交わしながら開くミッドナイトセミナーを企画いたしました。核医学を愛する仲間同志としての連帯感がさらに深まるものと期待しております。

 箱根には名所旧跡がいっぱいあります。箱根の温泉は最高です。時間の許すかぎり箱根の山と温泉を堪能していただき、心と体を癒してリフレッシュしていただきたいと思います。

千葉大会の懇親会で、“来年は箱根で開催します”と宣言した時、参加者からの大歓声が今も耳に残っております。

 

もどる